トラビルシャフトの落下角と重量帯の選び方

シャフト

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グリーンでボールを止めたいと考えてトラビルシャフトを検索している人は、落下角やスピンの話で迷いやすいものです。複合素材の特徴、重量帯ごとのスペック、試打データやツアーでの評価を横断して見ると、アイアンの弾道が変わる理由が整理されます。合う人の傾向、85sを起点にした選び方、新品の値段、中古の見極めまで順に確認し、番手ごとの判断材料をそろえましょう。

  • 落下角を高める複合素材の仕組み
  • 75から115までの重量帯とスペックの見方
  • 85sを基準にした合う人の判断材料
  • 新品の値段と中古で確認すべき点

落下角に特化したトラビルシャフト

  • 落下角を伸ばす複合素材の特徴
  • 重量帯ごとに並ぶスペック
  • ツアー現場で確認された評価
  • アイアンで高まる操作性の要点
  • 試打で見る打ち出しと落下角

落下角を伸ばす複合素材の特徴

トラビルシャフトの中核は、ボールが地面へ落ちる角度、いわゆる落下角を伸ばすために、カーボン、金属、ゴムを重ねた複合構造にあります。スピン量や打ち出し角だけを追う設計ではなく、グリーンへ上から入れる弾道を前提に剛性としなり戻りを配分している点が、通常の軽量カーボンとは異なります。弾道計測器の普及で数値が可視化された結果、ツアー現場でも落下角が重視されるようになり、開発の起点になりました。

名称は、ツアーで評価された証明を意味するTOUR RATEDと、新たな能力を意味するABILITYを組み合わせ、勝利を示すVictoryのVを加えた造語です。先中調子のMCI系列とは位置づけが分かれ、中元調子で粘りを残しつつ、先端側の剛性を高める方針が採られています。詳細な製品説明は、フジクラシャフト公式のTRAVIL IRON紹介ページで確認できます。

金属層が担うバランス

金属は、振り心地を崩さずにクラブ全体の釣り合いを整える役割です。フジクラがMCIでも用いる重心調整技術により、カーボン単体でありがちな先端の軽さを補い、スチールに近いバランスへ寄せています。このため、手元だけが軽くなってヘッドの位置が分からなくなる感覚を抑えやすい、という設計意図があります。ただし、ヘッド自体が極端に軽い量産アイアンでは、鉛などの調整なしに同じ釣り合いが出ない場合もあるため、素材の効果だけですべてが決まるわけではありません。

ゴム層が担う打感としなり

ゴムは、衝撃をやわらげつつ、しなり戻りの速さを細かく制御するために全層へ組み込まれています。カーボン特有の弾きだけに頼らず、インパクト前後でヘッドが同じ向きに留まる時間を稼ぐ狙いです。ソフトな感触が得られやすい一方、軟鉄ヘッドの潰れる手応えを重視する人には、芯の情報がぼけると感じられる余地もあります。素材の快適さと、フェースのフィードバックは別物として捉える必要があります。

カーボン層が担う剛性配分

カーボン側では、Tour Ability Structureと呼ばれる積層で、手元の剛性を抑えつつ先端を高剛性化しています。部分的な補強材で先端だけを極端に固める方法ではなく、滑らかな剛性の変化を残したうえで粘りを出す、という説明です。シャフトが粘るとヘッドの操作余地が増え、入射角が緩やかになりやすい、というのがメーカーの論理です。

複合の要点は、金属で釣り合いを整え、ゴムで戻り速度を整え、カーボンで先端の安定を出す、という役割分担です。飛距離専用の弾き系カーボンとは目的が異なります。

しなやかさの表現と、実際の硬さの感じ方は一致しないことがあります。数値上は同重量のスチールより振動数が低くても、先端がしっかりしているため硬く感じる、という指摘は複数あります。体感だけで「柔らかいカーボン」と決めない方が安全です。

重量帯ごとに並ぶスペック

ラインナップは75、85、95、105、115の5重量帯で、フレックスはモデルによりR、S、Xが用意されています。製品長はアイアン用が39.0インチから35.5インチ、チップ径は9.05ミリ、テーパー長は40ミリ、調子は全モデル中元です。数値は7番を基準としたデータで、ユーティリティ向けに40.0インチも用意されています。最新の表はフジクラシャフト公式サイトのスペック表が一次情報になります。

モデル フレックス 重量(g) トルク(度) バット径(mm) 調子
TRAVIL IRON 75 R 75.5 2.9 14.85 中元
TRAVIL IRON 75 S 77.0 2.9 14.90 中元
TRAVIL IRON 85 R 86.5 2.7 14.85 中元
TRAVIL IRON 85 S 88.0 2.7 14.90 中元
TRAVIL IRON 95 R 97.0 2.3 14.90 中元
TRAVIL IRON 95 S 99.0 2.3 14.95 中元
TRAVIL IRON 105 S 108.0 2.2 14.95 中元
TRAVIL IRON 105 X 110.0 2.2 15.00 中元
TRAVIL IRON 115 S 118.0 2.0 15.15 中元
TRAVIL IRON 115 X 120.0 2.0 15.25 中元

希望小売価格はいずれのモデルも税込14,300円(税抜13,000円)です。組立費とグリップ代は含まれません。製造はMade in JAPANと案内されています。

トルクは軽いモデルほど大きく、重いモデルほど小さくなります。75が2.9度、85が2.7度、95が2.3度、105が2.2度、115が2.0度です。ねじれが少ないほどフェースの開閉は抑えやすい反面、タイミングをシャフトに預けにくい印象が出ることもあります。重量が増えるほどバット径もわずかに太くなり、グリップ下の太さやバランス出しに影響します。

75と85は、スチールが重いと感じる層向けの入り口になりやすく、95は100グラム前後のスチールからの乗り換え候補、105と115は打ち込みたい競技層向け、という整理が現場ではよく使われます。ただしフレックス表記はメーカー間で揃っていないため、モーダスやダイナミックゴールドのSがそのまま105のSに対応する、といった単純な置き換えは成立しません。長さ、チップの入れ方、ヘッド重量が変われば、表のグラム数だけでは振り心地は決まりません。

公開値は7番基準です。4番やウェッジまで同じモデル名で組む場合でも、カット量とチップの入り方で実質の硬さは変わります。ユーティリティ用40.0インチを流用するときも、アイアン用の39.0インチと同じ挙動にはなりません。

ツアー現場で確認された評価

公開テストでは、国内の男女ツアー選手を対象に30種類以上の試作を絞り込み、使用クラブと比べて平均1.1度落下角が増えた原型が製品化された、と説明されています。落下角の変化は選手ごとに差があり、1度未満の人もいれば2度近く伸びた例もあります。絶対値の大きさより、既存セッティングからの上積みを見ている点がポイントです。

テスト対象 変更前 変更後
男子プロA 44.8度 45.5度
女子プロA 43.6度 44.8度
男子プロB 48.9度 49.8度
女子プロB 41.7度 43.6度
男子プロC 50.8度 51.5度
女子プロC 44.7度 45.4度

出典はメーカー公開のツアーテスト結果です。条件や番手は選手の使用クラブに依存するため、アマチュアの7番と同じ数値にはなりません。

製品化前はTR PROTOとして女子ツアーに投入され、野澤真央、新垣比菜、高橋彩華、渋野日向子らが使用した、と報道されています。野澤選手は、しなりがあってスピンが入る一方で飛距離が落ちにくく、多少引っかけても直線に近い球が出やすい、と語った記録があります。主に使われたのが85のSだった、という点は、後述する重量選びの参考になります。投入経緯はALBAの発売記事でも整理されています。

メーカー特集では、金谷多一郎プロが105のSで「最高到達点から落ちる弾道」、北川祐生プロが115のXで「落とした所に止まる球」、杉山美帆プロが85のSで高弾道化と引っかけの少なさ、ライターの鶴原弘高氏が105のXで分厚い当たりとばらつきの少なさ、に言及しています。試打者全員がマイクラブより高い打ち出し、多いスピン、大きい落下角になった、というのが特集側のまとめです。一次情報はフジクラのTRAVIL特集ページにあります。

市販後のクチコミ集計では、方向安定性や操作性が相対的に高く、飛距離項目は低めに出やすい傾向があります。高く止まると感じる声が多い一方、番手が一つ落ちた、コントロールショットでショートした、打感がスチールより鈍い、という指摘も並びます。総合点が突出して高い万能シャフト、というより、止まる球を取りにいく代わりに飛距離や手応えを差し出す、という評価の分かれ方です。

ツアー選手の落下角は、ヘッドロフト、ボール、芝、スイングが揃った結果です。同じシャフト名でも、ストロングロフトの大型ヘッドでは高さが足りず、逆に寝たロフトの軟鉄では上がりすぎることがあります。評価を読むときは、何番をどのヘッドで打ったかを一緒に見る必要があります。

アイアンで高まる操作性の要点

操作性の要点は、先端がぶれにくい状態で、切り返しからインパクトまでヘッドの位置を把握しやすくする点にあります。手元を抑え、先端を硬くし、ゴムで戻りを遅らせすぎない設計は、フェースが急に閉じる動きを減らし、緩やかな入射角へ導きやすい、というのがメーカー側の説明です。結果として、ダウンブローが強すぎて低い引っかけが出る人には、球の高さと左右の安定が同時に改善しやすい余地があります。

一方で、操作性と一言でまとめると誤解も生まれます。大きくフェードやフックを作り込む意味での操作性ではなく、フェースの向きを維持したままストレートに近い球を量産する安定寄り、と捉えた方が現場の声と一致します。強振すると先が走って捕まる、スチール感覚のパンチショットでは距離が残らない、という指摘は、粘る時間が長いことの裏返しです。ハーフショットは間が取りやすい、という声がある一方、トゥダウンが少ないカーボン特有の薄当たりで距離が落ちる、という指摘もあります。

ヘッドとの相性も分かれます。重量が揃い、バウンスに余裕がある軟鉄系は、緩やかな入射を活かしやすい、という見方があります。逆に、ロフトが立ってバウンスが薄いストロング系は、入射が浅くなる設計と重なり、芝によっては抜けづらくなる可能性が指摘されています。シャフト単体の操作性が高くても、ソール形状が合わなければ「止められる球」にはなりません。

左右を大きく曲げる道具、というより、高い直進の球を再現しやすくする道具、と捉えると期待値のずれが減ります。意図的な操作は、スチールほど鋭く出ない前提で試した方が判断を誤りにくいでしょう。

手首や肘への衝撃が和らいだ、という使用報告は複数あります。ただ、負担軽減はヘッド重量、グリップ、スイング、練習量にも左右され、医療効果を示す情報ではありません。痛みがある場合は、シャフト交換の前に専門家へ相談する方が先です。カーボンにしただけでフォームの問題が消える、という整理は避けた方がよいでしょう。

試打で見る打ち出しと落下角

計測の共通項は、打ち出し角、バックスピン、落下角がセットで上向きになりやすい点です。初速だけを伸ばす弾き系ではなく、高さと回転を乗せて上から落とす軌道が中心になります。メーカー特集の試打でも、プロからアマチュアまで、マイクラブ比で高い打ち出し、多いスピン、大きい落下角が揃った、と報告されています。

メディア計測の一例では、115のXを軟鉄キャビティに組んだ condで、ヘッドスピード47.6メートル毎秒、ボールスピード59.9メートル毎秒、平均キャリー175ヤード、平均トータル183ヤード、バックスピン約7314回転、打ち上げ角24.9度、最高到達点55ヤード、落下角55度、という数字が出ています。同重量帯の別カーボンと比べ、打ち上げと落下角が大きい、という読みです。初速はスチールより出やすい場合がある一方、カーボン全体で見ると突出しない、という指摘もあります。

別の試打では、85のSで落下角が約7度増えた、115でもスチール比で降下角が数度乗った、という個別報告があります。条件が違うため数字をそのまま移植はできません。ただ、方向としては「少し高くなる」ではなく、視線より明らかに上を通る、グリーンでランが消える、と感じる変化が繰り返し語られています。飛距離は、ロフトなりでわずかに伸びる人、番手が一つ落ちる人、ほとんど変わらない人に割れます。高くなる分だけキャリーが伸びるとは限らず、スピン過多で失速する例もあります。

試打で優先して見る指標は、キャリーの最大値より、落下角、最高到達点、バックスピン、左右のばらつきです。トータルヤードだけを追うと、止まる球という目的から外れます。

打ち出しが左へ出やすい、と感じる報告は、先端が硬くフェースが返りにくい condと、ヘッドのライ角やカチャカチャ設定が重なったときに増えやすい、という整理が妥当です。シャフト単体でフックする、と決めつける前に、同じヘッドで別シャフトを打って左右差を切り分ける必要があります。室内マットでは入射角とスピンが過大になりやすいため、可能なら芝、少なくとも長い練習場で確認した方が実態に近づきます。

目的別に選ぶトラビルシャフト

  • 重量帯から考える選び方
  • 落下角重視が合う人の目安
  • 基準になりやすい85sの位置
  • 新品購入で確認したい値段
  • 状態を見て判断する中古
  • グリーンで止めるトラビルシャフトの結論

重量帯から考える選び方

選び方の第一歩は、今使っているアイアンのシャフト重量を基準に、極端な軽量化をしないことです。カーボンだから必ず20グラム落とす、という手順は、ヘッドの存在感が消えて打ち急ぎを招きやすい、という声と結びつきやすいためです。スチール100グラム台から移るなら95前後、120グラム前後から移るなら105や115、振り切れない負担が主目的なら85、という大枠で候補を絞ると迷いにくくなります。

重量の合わせ方

ヘッドスピードの数字だけで決めるより、切り返しでヘッドの位置が残るか、ラウンド後半に同じリズムで振れるかを見た方が失敗は減ります。地クラブのようにヘッド重量が揃っているシリーズは、鉛を足さなくても番手ごとの振り心地を整えやすい、という指摘があります。大手ブランドの軽めヘッドでは、バランスを出すために先端側へウェイトが必要になり、番手ごとに感触がばらける場合があります。リシャフト前提で買うなら、工房で総重量とバランスを先に設計した方が、表のグラム数に振り回されません。

フレックスの合わせ方

表記上のSとXは、振動数や先の動きと一致しないことがあります。クチコミでは、数字上は柔らかくても先端が立つためハードに感じる、冬はピンピンし、暖かくなると動きが出る、といった季節差も語られます。可能なら同じヘッドでRとS、SとXを打ち、フルショットだけでなく50ヤード程度のコントロールも確認してください。先が遅れて引っかかるなら一段硬い側、全体が動かず高さも出ないなら一段柔らかい側か、一つ軽い重量帯、という順で見る方法が分かりやすいでしょう。

重量帯 主なフレックス 検討しやすい層の目安
75 R / S スチールの重さが負担で、高さも欲しい層
85 R / S 軽すぎず、ツアーでも採用例が多い中間帯
95 R / S 100グラム前後のスチールから移る層
105 S / X 重量を残しつつ高さと安定を取りたい層
115 S / X 重いスチール感覚を残したい打ち込みたい層

番手ずらしや、5番6番を95、7番以降を105にするウェイトフローも使われています。ただし流れを細かくしすぎると、練習場とコースでタイミングが分かれやすいため、まずは全番手同一重量で球筋を確認し、長番手だけ軽くする、短番手だけ重くする、という順が安全です。ウェッジまで同じシリーズにするかは好みが分かれ、スピン過多で手前に落ちるなら別シャフトにする判断もあります。

カタログのフレックス表より、今のシャフトより何グラム軽くするか、という問いの方が先です。軽さで楽になった直後に、ヘッドが落ちてダフる例は少なくありません。

落下角重視が合う人の目安

合う人の中心は、アイアンの球が低く、グリーンでランが止まらず、キャリーでピンを狙いたい人です。スーパーダウンブローで低い引っかけが出る、ストロングロフトで高さ不足を感じる、冬芝や硬いグリーンでこぼれやすい、といった悩みと方向が一致します。高く上げてその場に落とす球が、スコアリングの主戦場になっている人ほど、設計思想とのずれは小さくなります。

スチールの振動が負担で、同じ重量帯のカーボンへ移りたい人も候補です。重さを大きく落とさずに衝撃を変えたい、という目的なら、75まで一気に下げるより85から105で探す方が、ヘッドの位置感覚を残しやすいでしょう。方向を揃えたまま球を高くしたい人、ミスしても左へ大きく行きたくない人、にも言及が集まります。

逆に合いにくいのは、飛距離を一番手伸ばしたい人、軟鉄の手応えを最優先する人、インテンショナルで大きく曲げたい人、低いパンチショットを多用する人です。コントロールするとショートする、芯の情報が薄い、夏ラフでヘッドが残ってつかまる、という不満は、止まる球を取りにいく設計と表裏です。すでに高弾道でスピン過多の人は、さらに上がって風に弱くなる可能性もあります。

万人向けではありません。合う合わないがはっきり出る、という声はメーカー系の解説ではなく、実際のリシャフト報告側で繰り返し出ています。試打せずに名前だけで組むと、高さは手に入っても距離感の再学習が必要になります。

ヘッドの組み合わせでは、標準ロフトに近いマッスルやキャビティ、ある程度バウンスがあるソールと組む例が多く語られます。大型の飛び系ヘッドでも高さは出ますが、元々のストロングロフトと重なると、キャリーの番手表示がさらに読みにくくなる場合があります。止まる球が欲しいのか、飛び系の高さをさらに足したいのか、目的を一つに絞ってから選んだ方が後悔は減ります。

基準になりやすい85sの位置

85sは、重量88.0グラム、トルク2.7度、バット径14.90ミリ、中元調子、という位置にあり、軽量帯と中量帯の境目になります。女子ツアーでTR PROTO期から使われた中心スペックでもあり、アマチュアの試打起点に据えやすい理由はここにあります。75では軽すぎてヘッドが走る、95では切り返しが重い、と感じる人の着地点になりやすい一方、ヘッドスピードだけで85sが正解になるわけではありません。

クチコミでは、7番37インチで285cpm前後、数字ほど柔らかく感じない、という声があります。公開振動数が低く見えても、先端剛性が高いためハードに感じる、という例です。モーダス105のRより少し硬い、85のSでも冬はピンピンする、といった報告もあるため、気温とヘッド重量を無視して「85sなら万人に中間」と扱うのは危険です。杉山美帆プロの特集試打が85のSだった事実は、高弾道化の参考にはなっても、同じヘッドスピードの保証にはなりません。

85のRは86.5グラムで、Sとの差は1.5グラムと小さい一方、バット径は0.05ミリ違います。硬さの差は重量差以上に先の動きへ出やすい、と考え、両方打てるなら打ち比べた方がよいでしょう。ユーティリティに75、アイアンに85s、という組み合わせを検討する人もいますが、長番手だけ先が動くと球筋が分かれるため、3番手以上で試してから決めた方が安全です。

85sを基準にする手順は、まず85sで高さと左右を確認し、ヘッドが置いていかれるなら95以上、振り切れず高いだけの弱い球になるなら75、という分岐が分かりやすい、という整理です。最初から115を試すより、判断の軸が残りやすいでしょう。

85sで球は止まるが飛距離が落ちすぎる場合、ロフトが寝すぎていないか、スピンが多すぎないかを先に見ます。シャフトを95へ上げると高さは少し抑えられることがありますが、重量増で振り切れずさらにショートする例もあります。距離を戻したいなら、フレックスや重量より、ヘッドロフトとボールの変更を同時に検討した方が、目的から外れにくいでしょう。

新品購入で確認したい値段

新品の希望小売価格は、モデルを問わず1本税込14,300円(税抜13,000円)です。5番からピッチングまでの6本なら85,800円、4番まで入れると10万円を超えます。組立費、グリップ代、チップ調整、バランス用の鉛は別で、店舗により工賃は大きく異なります。メーカー希望小売である点と、付帯費用が含まれない点は、公式スペック表の注記でも明記されています。

発売は2023年7月20日で、当時からカーボンアイアンとしては高価格帯に位置づけられていました。止まる球、肘へのやさしさ、方向の安定を取る設計であり、プラス10ヤードを買う製品ではありません。同じ予算でヘッドを更新した方がスコアに直結する人、逆にヘッドは気に入っていて弾道だけ変えたい人、で費用対効果は分かれます。セット販売や工賃込みのリシャフト企画は、1本単価が希望小売を下回ることがある一方、グリップや長さが固定される場合もあります。

本数の例 シャフト本体の希望小売合計 別途発生しやすい費用
7番1本の試し組 14,300円 工賃、グリップ、既存シャフト処分
5番〜PWの6本 85,800円 工賃一式、バランス調整
4番〜PWの7本 100,100円 長尺のカット、UT用40インチの追加

合計は本体のみの机上計算です。実際の支払いは店舗見積を正とします。

価格が高い理由の一つは、金属とゴムをカーボンへ複合する工程と、国内製造、ツアーでの試作数にあります。同じメーカーのMCIより高く、スチールの量産シャフトより明らかに高い、という位置です。ミスが消える保証がない以上、まず7番だけ組んでコースで距離感を確認し、問題がなければ残りを揃える、という段階購入が費用面では堅実です。在庫は重量帯によって偏ることがあり、人気の85や105は取り寄せ待ちが出る場合もあります。

状態を見て判断する中古

中古は、1本あたりの支出を抑えつつ同じスペックを試す手段になります。ただしマットブラックの塗装はアイアン同士の接触で傷が目立ちやすく、外観の良しあしと性能が一致しない場合があります。出品写真は傷、塗装の剥げ、チップの真円、ロゴの擦れ、グリップの劣化を拡大して確認してください。セット売りは番手ごとに傷の量が違い、短い番手ほど当たっていることが多い、という前提で見た方がよいでしょう。

外観で落とす条件

先端の割れ、塗装下地の露出、曲げ跡、錆を伴う金属部の異常がある個体は候補から外します。カーボンは小さな傷でも層まで達していることがあり、見た目以上にリスクがあります。保管が車内や湿気の多い場所だった、という説明がある場合も慎重です。正規の流通経路が分からない格安品は、カット済み長さやチップ加工が再現できない可能性があり、組んだ後に硬さだけが変わる、という失敗につながります。

寸法と履歴で見る条件

残長さ、チップの研磨量、すでにアイアンへ組まれていたかの履歴は、新品の39.0インチ基準からどれだけ短いかを知る材料です。一度長く使ったシャフトを別ヘッドへ再組するときは、チップ側の直径とテーパーが崩れていないかを工房で測ってもらう必要があります。ユーティリティ用40.0インチをアイアンへ流用した個体は、先端剛性の出方が変わるため、表示が85sでも同じ動きにはなりません。購入前に、希望番手へ組める残り長さがあるかを数値で確認してください。

相場は本数、フレックス、未使用か使用品かで幅が大きく、一律の円金額は示しにくい状態です。未使用に近い単品は新品希望小売に近づき、使用感の強いセットは大きく下がる、という程度の理解で十分です。安さだけを優先すると、傷の補修跡や再塗装で当たり外れが読みにくくなります。中古で試すなら、まず7番相当の1本を信頼できる店で組んでもらい、コースで距離が合うことを確認してから残りを探す、という順序が失敗を減らしやすいでしょう。

中古は保証やセッティング履歴が残りにくい、という constrainsがあります。工賃を足すと新品1本分に近づくこともあるため、安さの比較は「シャフト代だけ」ではなく「組んだ後の総額」で行ってください。

グリーンで止めるトラビルシャフトの結論

  • トラビルシャフトは落下角を伸ばしてグリーンに止めやすくする目的のアイアン用カーボンである
  • カーボンに金属とゴムを重ねて釣り合いと打感としなり戻りを分けて整えている
  • 手元を抑え先端を硬くすることで入射角を緩やかに保ちやすい設計になっている
  • ツアーテストでは使用クラブと比べ平均1.1度落下角が増えた原型が製品化された
  • 重量帯は75から115まであり調子はすべて中元で数値は7番基準である
  • 希望小売は1本税込14300円で組立費とグリップ代は含まれない
  • 85sは88グラム前後で軽量帯と中量帯の境目になり試打の起点にしやすい
  • 球が低くランが止まらない人やキャリーでピンを狙いたい人に方向が合いやすい
  • 飛距離最優先や強い曲げ操作、軟鉄の手応え最優先の人には不満が出やすい
  • スチールから移るときは極端な軽量化より今の重量に近い帯を先に検討する
  • 高く止まる代わりにショートしやすい点と打感がぼける点は事前に受け入れる
  • 中古は傷やチップの変形、残り長さ、番手ごとの状態差を見て判断する
  • ヘッド重量とソールが揃ったアイアンほど設計意図を引き出しやすい
  • 最終判断は室内の飛距離表示ではなく落下角と芝での距離感で行う
  • グリーンで止める弾道を求めるなら名前ではなく重量とロフトの適合を優先する
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